デジタルTVシステム拡販のため、インドのチェンナイ、ムンバイ、デリーを順に廻ったことがある。
現地の代理店の案内で、 Reliance, BSNL, Tata 等の通信キャリアや大手金融機関に自社の映像システムや、通信機器、金融端末の紹介を行い、私の担当は映像システムであった。
インドは当時、国の政策の変更により経済が急速に伸びつつあった。国土が非常に大きいので、通信や放送等のインフラの構築の仕方は日本等の先進国とは違い、既に携帯電話の加入者数が固定電話のそれを上回っており、また放送も衛星放送に力を入れていた。
最初に、インドの東南部にあるチェンナイの Reliance Communications を訪問し、トップマネジメントに提案することになった。
映像配信システムとそのアプリケーションについてプレゼンテーションをしたのだが、こちらが力を入れて強調すると、そのトップマネジメントが首を横に振る。これが何度もあって、こちらの提案が理解されていないのかと不安になったまま、会議は終了した。移動は、現地代理店が用意した車を使うのだが、代理店の人間が、運転手に指示しているのを見ると、運転手は指示される度に首を横に振る。なかなか強情な運転手だなと思ったのだが、どうもおかしい。
不審に思って、後で代理店の人間に訪ねると、インドの北部では、肯定の場合は、首を縦に振るが、南部では横に振るとのことだった。これで合点した。
その後、ムンバイを経由して、デリーに行くと、ここでは我々に馴染みのある Vertical Yes になった。
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